ヴァトロスラフ・ミミツァ (Vatroslav Mimica)

(1923~ )  「孤独」(1958) は、会社の歯車の一部になって働き、都会の喧騒に疲れてしまい、恋人にまで冷たい態度を取ってしまうようになってしまった男を描いた話。
リミテッド・アニメーションに洗練されたグラフィックの作りは、後のザグレブの作家たちに大きな影響を与えました。もともと実写の監督、脚本をされていた方だそうです。


ドゥシャン・ヴコティチ(Dusan Vukotic)

(1927~1998)  1991年、旧ユーゴスラヴィアから独立したクロアティア。ここで作られた作品群が、現在の首都であるザグレブの名を冠し、1950年代後半頃から"ザグレブ派"と呼ばれるようになります。ヴコティチは、そのザグレブ派の初期に成功を収めた作家。
「代用品」(1961) は、グラフィカルセンスの際立った絵柄。物も人も風船をふくらませる要領で手に入れる世界をコミカルに描いています。気に入らなかったらリセット、という、虚構の世界で生きているかのような現代を暗示しているかのよう。1961年にアメリカ以外で初めてアカデミー賞を受賞した作品でもあります。
「月世界の牛」(1959)は、意地悪をする少年に仕返しをしようと、頭のいい少女は自分で張りぼてのロケットをつくり少年を乗せます。そして月に就いたと思わせて宇宙人になり済まし、彼を脅かす、という話。アメリカのギャグアニメーションに影響を受けていると思われる動きと内容ですが、その全体に落ちついた感じとグラフィックセンスはザグレブ派ならではの感じがします。
その他に 「ピッコロ」(1959)、「銀行ギャング」(1958) などユーモアのある作品を作っています。


ボリス・コラール (Boris Kolar)

「ワン・ワン」(1964) は、イヌとネコの小競り合いを描いた作品。チャコールで描いた様なシンプルかつ独特のかわいい絵。そのセンスのいい絵柄とコミカルな動きがとてもマッチしていて楽しい作品に仕上がっています。アニメーションのおもしろさが味わえます。


ネデリコ・ドラギッチ (Nedeljko Dragic)

(1936~ )  「日記」(1974) は、多様な絵柄でメタモルフォーゼをくり返し、大都会にのまれていく人間を象徴的に描いた作品。
「エレジー」(1965)は、牢屋に入れられて自由を奪われているときはその窓から見える花を愛でていたのだが、いざ刑期を終えて出てくると、花のことなんて全く気にかけなくなってしまう。人間は自分の都合でしか対象と接することができないのでしょうか。シンプルだけど、含蓄のある作品。


アレクサンダー・マルクス (Aleksandar Marks) / ウラジミール・ユトリサ (Vladimir Jutrisa)

「ハエ」(1966) は、男が踏みつぶしたハエが、なぜかどんどん巨大化していき、男を襲う。その結末は、、、 なんともいえない独特なテイストの作品。 脚本は、ヴァトロスラフ・ミミツァ。


ズデンコ・ガシュパロヴィチ (Zdenko Gasparovic)

「サティ・マニア」(1978) は、題名のとおり、エリック・サティの音楽に合わせて、パステルなどで描かれたさまざまなイメージが綴られていきます。音楽もアニメーションも楽しめて、お得。



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